
ドッグヴィル(DOGVILLE)
舞台のようなセットが独特なこの作品。
ドアはないのにドアを開けるとギイーと音もなるし、
犬の絵だけなのに犬がいることになっているし。
しばらくすると全く気にならなくなり深い眠りへと・・(コラ・・
プロローグと第9章からなる作品中・・・
なんと、第4章まで、まどろみの中を漂ってしまいました。
しかし私に限らず、傾いて座っている方の多いこと(笑
それが後半にかけて私を含めみなさんどんどん目を覚ましていったのでした。
前半は別に不要な部分とは言わず、後半をもりたてるためには必要不可欠であるのだが、
どうにも平和で退屈で・・とはいえ起きていられなかったのは不覚。
後半の人々の表情やら行動やらの感想。
寒気のするような人のいやな部分がどろどろどくどくと感じられ、
その嫌な部分に慣れきってしまって何か変だという思いさえも薄れていく。
そして自分を守るのに必死になり、周りの意見にのみこまれていく。
誰に煽動されたわけでもなく、なかば個体となりつつあるグループの意思に流されていってしまう。
これはどこでも起こりうる、自分が加害者にも被害者にもなりうる恐怖。
ダーサーインザダークでも感じたのですが、自分がやっと抑えているちょっとした醜さとかを
暴かれてしまったようなうしろめたさ、居心地の悪さを感じることが出来ました。
グレースを想ってグレースのためにと奔走していたトムさえも。
人間の良心への期待とかは全くなく、
どんよりとした絶望に包まれ、最後の審判が下される。
マトリックスの中のザイオンのようなものだったのか。
ノアの箱舟には人は乗ることが出来ず。
とはいえ最後の審判を下したのも同じ人間。
主導権をにぎっていると確信していた方には実は無力だったと知ったときのそれぞれの自失と困惑の表情・・
いや、面白くてすっきりしてしまった。
R15指定でした。観終わってなるほど。
ポールベタニー病人ぽくて凄い良かった。
ニコールキッドマン文句なく美しい。
こちらでもこの作品の感想が読めますよ〜
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